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【野口裕之の軍事情勢】南シナ海を睥睨する中国のコンクリート製「不沈空母」 (4/6ページ)

2015.5.11 06:00

中国による埋め立て作業が進む南シナ海の7岩礁のうち、ガベン礁(中国名・南薫礁)ではすでに5階建て以上とみられるビルも建設中だ=2015年1月29日(フィリピン政府当局者提供・共同)

中国による埋め立て作業が進む南シナ海の7岩礁のうち、ガベン礁(中国名・南薫礁)ではすでに5階建て以上とみられるビルも建設中だ=2015年1月29日(フィリピン政府当局者提供・共同)【拡大】

 米太平洋艦隊司令官(海軍大将)は3月下旬、フィリピンの排他的経済水域(EEZ)を含む軍事基地の面積は現時点で、東京ドーム85個分に相当する「4平方キロ超」だと明言。中国が占拠・不法管轄する7岩礁の相当部分に「浚渫(しゅんせつ)船とブルドーザーで万里の長城を築いた」と形容したが、表現力が乏しい。万里の長城は異民族侵入に備えた防御壁の側面が強い。一方の南シナ海上の軍事基地は、強力な攻撃力を備えた「不沈空母」であり「不沈強襲揚陸艦」と呼ぶべきだ。

 各軍事基地にレーダー▽各種艦艇▽戦闘機▽対艦・対潜水艦ヘリコプター▽対艦・対空ミサイル▽水陸両用戦闘部隊-を配備すれば、南シナ海の軍事情勢が激変。海空軍力に乏しい周辺国を睥睨→ますます萎縮させ、米軍でさえ容易に手は出せなくなる。それどころか、日本をはじめ世界のエネルギー・食料の生命線が通る海域に、不沈空母と不沈強襲揚陸艦を核とする「7個艦隊」が出現し、経済面でも脅され、支配される。凶暴な中国漁民=海上民兵の資源乱獲も、中国の軍事・準軍事力の恫喝に支援され激化する。

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