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【野口裕之の軍事情勢】南シナ海を睥睨する中国のコンクリート製「不沈空母」 (3/6ページ)

2015.5.11 06:00

中国による埋め立て作業が進む南シナ海の7岩礁のうち、ガベン礁(中国名・南薫礁)ではすでに5階建て以上とみられるビルも建設中だ=2015年1月29日(フィリピン政府当局者提供・共同)

中国による埋め立て作業が進む南シナ海の7岩礁のうち、ガベン礁(中国名・南薫礁)ではすでに5階建て以上とみられるビルも建設中だ=2015年1月29日(フィリピン政府当局者提供・共同)【拡大】

 ただ、自由や民主主義、人権、法の支配といった基本的・普遍的価値を大切にするまともな国では、三木には腹の底から笑えても、呉上将のそれへは「冷ややかな笑い」になる。

 NGが許されぬグリナート大将と副報道官代理氏には同情申し上げるが、呉上将の8年前の発言を思い出して「冷ややかな笑い」どころか「背筋が寒くなった」と思量する。2008年3月、米太平洋軍司令官(海軍大将)が上院軍事委員会の公聴会で証言した。

 「昨年5月の訪中で、中国海軍幹部より『航空母艦を保有した場合、ハワイ以東を米国が、以西を中国が管理することで合意を図れないか』と打診された」

 7岩礁に基地

 「中国海軍幹部」は呉上将と観てよい。太平洋軍司令官は「冗談だとしても、人民解放軍の戦略構想を示す発言。中国は影響圏拡大を欲している」と、強い警戒感を表した。中国が伝統的国防圏としていた「沖縄以西」を大きく踏み出す野望を物語っており、「冗談のような本音」であったのだ。この脈絡に従えば、呉上将の言う岩礁埋め立てによる、世界の誰もが利用できる「海難救助」施設建設は「冗談のようなウソ」だと、世界の誰もが疑わぬ。

「不沈空母」であり「不沈強襲揚陸艦」と呼ぶべき

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