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【国際政治経済学入門】中国人民銀行・周小川総裁の野望 (4/4ページ)

2015.4.22 09:45

国際通貨基金(IMF)・世界銀行合同開発委員会にあわせた記念撮影で、ドイツのウォルフガング・ショイブレ財務相(左)とシンガポールのターマン・シャムガラトナム財務相(右)に挟まれ、満面の笑みを浮かべる中国人民銀行の周小川総裁(中央)=2015年4月18日、米国・首都ワシントン(AP)

国際通貨基金(IMF)・世界銀行合同開発委員会にあわせた記念撮影で、ドイツのウォルフガング・ショイブレ財務相(左)とシンガポールのターマン・シャムガラトナム財務相(右)に挟まれ、満面の笑みを浮かべる中国人民銀行の周小川総裁(中央)=2015年4月18日、米国・首都ワシントン(AP)【拡大】

 AIIB最大の問題はその資金調達である。中国は3.8兆ドルの外貨準備を保有しているが、昨年後半だけで1500億ドルも減った。資本逃避などが激しいからだ。14年だけでみれば、中国は米国をしのぐ世界最大の借り入れ国であり、外貨準備を除けば、中国の対外債務は対外資産を2.4兆ドルも上回る。そんな中国が主導するAIIBは信用度が弱く、国際金融市場で巨額の外貨を調達できそうにない。人民元で融資すれば外貨融資を補完できるが、国際通貨でないと、借り入れ側も扱いにくい。

 日本の財務官僚は日本政府がIMF最大のスポンサーであることを背景に、IMFに財務省の省益である消費税増税を勧告させることに熱心だが、日本の国益に関わる人民元のSDR通貨化で、果たして周氏の野望を阻止できるだろうか。(産経新聞特別記者 田村秀男/SANKEI EXPRESS

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