中国の旧正月「春節」の2月下旬。世界の主要都市がチャイニーズ・マネーに席巻された。日本では連日のようにテレビが中国人買い物客の「爆買い」ぶりを報じ、東京・銀座では数百万円の宝飾品、10万円もする赤色の電気釜などが飛ぶように売れた。成田空港では帰国する中国人団体客の重量制限オーバーの旅行ケースが長蛇の列をなした。日本ばかりではない。香港では、大陸から群れをなして日用品を大量買い付けするので、住民が抗議デモに立ち上がった。ドイツでは中国人旅行者が赤ちゃん用粉ミルクをまとめ買いするので、店はあわてて、粉ミルクの売り場に鍵をかけた。品切れになれば、地元の赤ちゃんが被害を受けるからだ。
まさか、すべてではないだろうが、中国人旅行者の「マナーの悪さ」は海外に暮らすチャイニーズが「中国人の恥だ」と怒り出すほどだ。なるほど、あるデパートでは、中国人の若者がブランド品や宝飾品をウインドーケースから次から次へと取り出せては、スマホでパチリ。本国の家族や仲間に見せてどれがいいか、大声上げて相談。楽しくてたまらない様子だ。