IMFはSDR構成通貨の見直しを5年ごとに行う。人民元は今年10月にIMF理事会の議題に上がる予定だ。北京は10年にも申請したが、IMF理事会は却下した。人民元はまだ国際的に自由利用可能ではないという理由だ。周氏らは人民元の国際決済の広がりを評価するよう求めている。
ラガルド氏は「SDR通貨に採用されるかどうかは、時間の問題だ」と公言しているが、日米欧の総意が得られないと、今秋のIMF理事会ではまたもや5年後に先送りされてしまう。
AIIB資金調達に不可欠
SDRはドル、ユーロ、円、ポンドの4大国際通貨で構成されているが、ドルは全通貨の尺度となる基軸通貨であり、他の通貨はドルに対して自由に変動している。しかも、これらの通貨建ての金融資産(資本)取引は自由で、種類も豊富だ。これに対し、人民元の変動は管理されているし、資本取引も厳しく制限されている。SDR通貨として認定するのはかなり無理があるのだが、北京としては是が非でも認めてもらわなければならない。人民元が「国際通貨」にならないと、AIIBの機能がマヒしかねないからだ。