魚料理は「ヒゲソリダイとホタテのポワレ」。テーブルに運ばれてきたときには、香草バターソースの香りに食欲がかき立てられる。しっとりとしたホタテとタイの火入れは絶妙。魚介類の甘味が存分に味わえる。ゴボウやロマネスコ、エンドウ豆にトマトと彩りよく飾られている。
臭みのない軟らかな鹿肉
メーンは「丹波鹿のロティ」。鹿肉などのジビエは秋冬シーズンにしか食べられないものと思われているが、ア・プ・プレでは年間を通して提供しているという。薄ピンクに色づく鹿のロース肉に添えられたソースは、赤ワインを煮詰めてていねいに作られたマルシャン・ド・ヴァンルージュ。
お花のようにかたどられたエシャロットを練り込んだバターが、さっと肉の上でとろけていくさまが見てとれる。ナイフを入れて一口。臭みのない軟らかな鹿肉の味わいに思わず笑みがこぼれてしまう。
「私自身、がっつりと食べたいほうなので、一つ一つのポーションは大きめにしています。家ではあまりたくさんの種類が食べられない野菜も、1カットずつでもさまざまな種類を多くお皿に載せられるように工夫しているところがこだわりかな」と竹村さん。