【京都うまいものめぐり】
≪歴史感じるたたずまい≫
京の北の観光地のほぼ真ん中、鞍馬口の駅から歩いて十数分、アクセスとしては少し不便なところにあるカフェ。大きな木が茂って見え隠れする建物は、威風堂々としたたたずまいを見せる。それもそのはず、「さらさ西陣」は、国の登録有形文化財「旧藤ノ森湯」を利用したカフェ。外観は宮崎アニメの傑作「千と千尋の神隠し」(2001年)の風呂屋のような、唐破風の屋根がまず目に飛び込む。ガラガラと扉を開ければ、高い格天井に、壁はブルーグリーンの和製マジョリカタイルの全面張り。ちょっと長湯、ではなく長居したくなる雰囲気だ。
銭湯リニューアル
「男湯と女湯の敷居を少し削っていたりと、内装は少し触っていますが、当時の形状をほぼ生かしています」とは店長の山口洋平さん。
旧藤ノ森湯は1920年代に建てられ、90年代に営業を終えた銭湯だが、中京区を中心に展開するカフェ「さらさ」がリノベーションし、2店舗目のカフェとして2000年に生まれ変わった。