【大人の時間】
秋も深まってくると読書や物づくりに励む人も増えるのではないだろうか。1929(昭和4)年に建てられた大阪市福島区のレトロビル「メリヤス会館」の一角に生地店を構える「アンティーク・ファブリック・ピンクス」。店名通り、オリジナル生地から60年代のビンテージ生地までがずらりと並び、レトロでキッチュな雰囲気。心がうきうきするようなこうした布地を眺めていると、針と糸を持って何か作りたいという欲求が沸き起こる。
まるで色の洪水
「独特の蛍光色が彩る60年代のビンテージ生地が好きだったことがお店を始めたきっかけです。アメリカンポップがテーマの生地は、どこか懐かしく、かわいい雰囲気があるんですよ」とデザイナーの那谷千穂さん。
店名にもなっているピンクをはじめ、紫やイエロー、グリーンなど、色鮮やかな色の洪水だが、目にはなぜか優しい色目でレトロな印象を受ける。
1960年代から70年代に作られたビンテージをはじめ、生地屋さんには珍しくオリジナルも手がける。