国連安全保障理事会は23日、「反ファシスト戦争の勝利」と国連創設70年を記念する討論会合を開いた。主宰者の中国の王毅外相(61)は「(加盟国の中に)過去の侵略の犯罪を糊塗(こと)しようとしている国がある」と歴史認識をめぐって暗に日本を批判した。これに対し、日本の吉川元偉(もとひで)国連大使(63)は「日本は深い反省の念に基づき、平和を愛する国家として、道を歩んでいる」と訴えた。
会合は「国際平和と安全の維持」がテーマで、約80カ国が参加した。中国外相が安保理会合を主宰するのは異例。
王外相は演説で、「中国はアジアでの反ファシスト戦争の主力として歴史的貢献を果たした」と強調。戦勝国が「多大な犠牲も払った」と述べ、戦没者に哀悼の意をささげようと呼び掛けた。
その上で、「歴史的事実はすでに明らかであるのに、今なお真実を認めるのをためらい、(歴史の)審判を覆そうとしている国もある」と日本を間接的に批判した。
一方、吉川大使は「日本は自由や民主主義、法の支配を尊重し、世界の平和と安全維持に貢献してきた」と強調。