北朝鮮の国防委員会は23日、国連総会第3委員会での、日本人拉致を含む北朝鮮の人権侵害についての非難決議採択(18日)に反発し「未曽有の超強硬対応戦に突入する」との声明を発表、対象国として米韓と共に日本を名指しし「決して逃れることができない」と警告した。朝鮮中央通信が伝えた。国防委はトップが金正恩(キム・ジョンウン)第1書記(31)。北朝鮮は採択後、政府機関などの名義で繰り返し決議を非難してきたが、今回の声明は、決議への反発としては最も強いレベルといえる。決議は金第1書記の責任追及に道を開く内容になっており、強い反発の背景には「体制の根幹が狙われた」との危機感がある。
「ひざまずいて謝罪を」
声明は非難の矛先として決議を主導した日本と欧州連合(EU)を前面に据えず、背後にいるとの認識を示した米国のオバマ政権に「ひざまずいての正式な謝罪を求める」と主張するなど米国との対決姿勢を強調。その後に日本と、決議の共同提案国となった韓国を列挙して非難した。
日本については、北朝鮮が進めている拉致被害者らの再調査への影響には言及しない一方、「今のような状態が続けば『近くて遠い国』程度ではなく、われわれの目の前から永遠になくなる存在だ」と威嚇。さらに「聖戦が始まれば日本も丸ごと焦土化され、水葬されなければならない」などと訴えた。