エボラ出血熱の感染拡大が止まらず、欧米での二次感染も確認され、対応が鈍かった先進国も連携と支援に本腰を入れだした。バラク・オバマ米大統領(53)は15日、米国内で医療関係者からエボラ出血熱の2人目の陽性反応が出たことを受け、中間選挙の遊説を急遽取りやめ、ホワイトハウスに関係閣僚を招集し緊急対策会議を開いた。国連安全保障理事会も国際社会が「適切に対処することに失敗している」との異例の報道声明を発表。感染拡大の速さに対応が追いついていないとの深刻な危機感を示した。
米が連携強化要請
オバマ氏は会議後、「より精力的に対応せねばならない」と記者団に述べ、二次感染の拡大阻止策を急ぐ考えを示した。さらに国際社会の連携の重要性も指摘し、安倍晋三首相(60)に電話で「より大きな支援」を要請したことを明らかにした。また英国、フランス、ドイツ、イタリアの首脳ともテレビ会議で協議し、各国の一層の協力によって感染拡大に歯止めをかける考えを強調した。
安保理の声明は「アフリカにおける前例のない規模のエボラ熱の蔓延(まんえん)」に改めて深刻な懸念を表明し、こうした状況が「国際平和と安全に対する脅威」に当たると重ねて指摘。患者の隔離設備や医療スタッフらが使用する防護装備の提供、資金拠出などの支援を「加速し、劇的に拡大するよう促す」と加盟国や関係機関に訴えた。