【国際情勢分析】
「世界がようやく西アフリカでのエボラ出血熱の壊滅的な蔓延に対する強力な闘いを行うために結集しつつある」
9月18日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ、アジア版)は「無防備なアメリカにエボラ出血熱の警告」とする専門家の論評を掲載した。米国が16日、エボラ出血熱の封じ込めに向け、米軍関係者約3000人を派遣する方針を明らかにしたことを受けての論評だ。
バラク・オバマ米大統領(53)はエボラ熱対策を「米国の国家安全保障上の優先事項だ」として、拡大を阻止しなければ国際社会に「深刻な影響」を及ぼすとの認識を示し対策に本格的に取り組む姿勢を表明。国連も18日、感染封じ込めに向け「国連エボラ緊急対応支援団(UNMEER)」を設立し、国連の全機関を動員すると発表した。
エボラ熱対策は安保問題
国連安全保障理事会も18日、流行地域の孤立を防ぐため、渡航制限を撤廃するよう各国に求めることなどからなる決議を採択した。武力紛争やテロなど平和への脅威を討議する安保理で、公衆衛生に関する決議の採択は異例という。