「G7として制裁強化の用意があることを明確にしたことが重要だ」。米政府高官はハーグ宣言採択後、G7の結束の固さをアピールした。
ロシアへの制裁をめぐっては、ロシアとの経済的な結びつきが強い欧州と米国との温度差も指摘されてきた。しかしオバマ氏は会合に先駆けてロシアの基幹産業への制裁を可能とする態勢を整備した。ハーグ宣言にもロシアが事態を悪化させた場合、協調して制裁にあたることを盛り込むことに成功した。米政府高官はG7による制裁は「最大の一撃になる」とする。
また、米政府高官はロシア軍がクリミア以外の地域に侵攻しない場合でも制裁が発動される可能性を示唆した。制裁はロシアからの対抗措置を呼び込み、世界経済に重大な影響を与える可能性があるが、国際経済から孤立するロシアが支払う代償は「欧米よりもはるかに大きい」と強調する。
G8からのロシアの排除には、中国などとの連携を目指すロシアには象徴的な意味合いしかないとの声もあるが、米政府高官は対露制裁やウクライナへの支援には「G7の間で大きな異論はなかった」と述べた。