≪クリミアのウクライナ軍を制圧≫
ウクライナ南部クリミア自治共和国で3月22日、ロシアによる併合決定後も抵抗を続けていたウクライナ軍の空軍施設に露軍部隊が装甲車で突入し、艦船にも軍部隊を派遣して、いずれも制圧した。露側はクリミアに駐留するウクライナ兵の武装解除に強制的な手段を取り始めており、半島の軍事支配は、最終局面に入っているとみられる。
基地に装甲車突入
ウクライナの報道によると、この日、露軍部隊が強行突入したのは、半島南部にあるベルベク空軍基地とノボフェドリフカの駐屯地。露側が周囲を包囲し、22日までに投降するよう、ウクライナ側に最後通告を突きつけていた。
空軍基地では、装甲車が門や壁を破壊し、続いて重装備の露兵士らが次々に施設内に突入。その際、発砲音が周囲に鳴り響いた。
ロイター通信によれば、突入後にウクライナ軍の現場司令官が露側に服従しないことを宣告すると、周囲の兵士から「ウクライナ万歳」の歓声が上がった。突入の際、ウクライナ兵1人が負傷。現場司令官は拘束されたという。
一方、セバストポリ港に停泊していた艦船「スラブチチ」や潜水艦「ザポロジエ」にもこの日、武装部隊が侵入。露軍が軍事侵攻して以来、船内に閉じ籠もっていたウクライナ部隊は、“無血”で露側に艦隊を明け渡した。