だが、ロシアとの経済的結び付きがはるかに強い欧州各国には、制裁強化をめぐる立場の違いがある。G7のメンバーである英国、ドイツ、フランスの場合も、それぞれ金融、エネルギー、武器輸出をめぐる関係が深く、これらの分野への制裁拡大を避けたいのが本音。イタリアもロシアへの輸出がEUではドイツに次ぐ規模で、踏み込んだ経済制裁には消極的だ。
また、欧州でのミサイル防衛(MD)計画の縮小やロシアとの新戦略兵器削減条約(新START)で「核なき世界」を追求してきたオバマ大統領には、決定的な米露対立を避けたいという事情もある。(3月)19日には「ウクライナで軍事行動に関わるつもりはない」と、米テレビのインタビューで明言した。G7首脳会議では「オバマ外交」の真価が問われることになる。(SANKEI EXPRESS)