バラク・オバマ政権はジョン・ケリー国務長官(70)を通じてロシアとの妥協の道も探っている。ケリー氏は3月24日、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相(64)と会談し、ウクライナは「クリミアのような地域での自治」について協議する用意があるとの立場を示した。クリミアにウクライナの一部としての自治拡大を認めることで、ロシアに翻意を迫った形だ。
ロシアはウクライナの各地域の自治を高めることには前向きだが、クリミアは「対象外」(チュルキン露国連大使)としており、オバマ政権の要望の実効性は低い。オバマ政権はロシアへの圧力強化に躍起だが、実現可能な着地点は見えてこない。(ワシントン 小雲規生/SANKEI EXPRESS)
《露外相「G8にしがみつかない」》
G7がロシアで6月に開催される予定だったG8首脳会議への参加を取りやめたことを受け、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は3月24日、「われわれはG8にはしがみつかない」と述べた。ウラジーミル・プーチン政権がクリミア併合を機に欧米から一定の距離を置き、「世界の多極化」を目指す主要メンバーとして揺さぶりをかける場面が増えることが予想される。