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絆つなげ 宮城の「今」を聞く(上) 被災地に根差し復興に貢献 (2/4ページ)

2015.2.3 14:50

海中のがれきの撤去活動を続けるダイビングショップ「High_Bridge」の高橋正祥さん=2013(平成25)年3月9日、宮城県石巻市(中央大学_有志学生記者撮影)

海中のがれきの撤去活動を続けるダイビングショップ「High_Bridge」の高橋正祥さん=2013(平成25)年3月9日、宮城県石巻市(中央大学_有志学生記者撮影)【拡大】

  • 「石巻をバージョンアップさせたい」と語る「ISHINOMAKI_2.0」の代表理事、松村豪太さん(中央)=宮城県石巻市(中央大学_有志学生記者撮影)
  • 宮城県石巻市、牡鹿郡女川町

 高橋さんはダイビングを教えながら、作業ダイバーとしてがれきの撤去活動を続けている。きっかけは震災直後にがれき撤去のボランティアに参加したこと。地元の宮城県の復興に少しでも貢献したいと、2014年4月に実家のある仙台市から石巻市に移り住み、ダイビングショップを起業した。

 震災から4年近くがたち、国の復興予算が十分ではなくなり、がれきを見つけて撤去しても処理をしてくれないなど、行政や法律の壁が、障害になっているという。一方で、民間の手で海をきれいにしていこうとする態勢が整いつつある。震災以前、地元にはダイバー資格取得者が少なかったが、今では高橋さんの下で学び、毎年約30人の資格取得者が誕生している。地元ダイバーの育成は、震災以前の海に戻すことを助けるだけでなく、ダイバー同士や密漁を心配する地元漁師とのコミュニティーの形成につながり、長期的な海の再生への一歩を踏み出した。

 親潮と黒潮の出合う宮城沖の海は、「世界三大漁場」の一つである。震災直後は真っ黒で、ほとんど魚がいなくなった石巻の海も、ボランティアの地道な努力でがれきを撤去できた場所には藻が生え、魚も戻ってきたという。

 「美しい海を取り戻し、海で亡くなった犠牲者の遺族に見てもらいたい。今はまだ恐怖で海に来られない人が克服できたとき、きれいな海だと言ってもらいたい」。高橋さんは、そんな強い信念を持ち、活動を続けている。

石巻だけで延べ28万人のボランティア

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