「主役じゃないと気が済まない」。そんな俳優らの話はテレビ関係者の間でしばしばささやかれる。
安倍晋三首相から「脇役に徹していただきたい」と牽制(けんせい)されても、あくまで既得権益死守にこだわるJA全中(全国農業協同組合中央会)の幹部らもそんな俳優らと同じ心境でいるのだろうか。
安倍政権は、農協法を改正し、JA全中の地域農協への指導・監査権を全廃したうえ、経団連などと同じ任意組織にする改革を目指しているが、JA全中は指導・監査権は決して手放さないと譲らない。
JA全中はこれまで、指導・監査権を名目に年間約80億円の賦課金を農協から集め、それを政治資金として活用し、農協・農水省・農林族議員の「農政トライアングル」を形成することに腐心してきた。
しかし、今の農業衰退の現状をみれば、JA全中が本来の農業の育成や振興にどれだけ役立ってきたのか疑問だという声の方が正当性を帯びるのではないだろうか。