第2次安倍改造内閣は、安倍晋三首相が掲げる経済政策「アベノミクス」の推進が最重要テーマになる。政権の命運が懸かる経済再生はまさに正念場。最大の懸案は消費税率10%への引き上げ判断だ。政府内からも「再増税はリスクが高い」などの慎重な意見が出るなど、景気の足取りが力強さを欠く中で、再増税のタイミングを見誤れば、日本経済再生への道筋が途絶えかねない。
新内閣では安倍政権の経済政策「アベノミクス」を担った麻生財務相と甘利明(あまり・あきら)経済再生担当相が留任した。党役員人事でも2012年に民主、公明両党と税率引き上げを合意した時の総裁だった谷垣禎一(さだかず)氏を幹事長に起用した。引き上げ判断で党内協力を取り付けやすい布陣だ。
党内ににらみ
谷垣氏は3日の会見で「消費税が財政安定に寄与し、税収を図りつつ政策の選択肢を広げることに役立つ」と強調した。
債務残高1000兆円超の財政を立て直すべく、政府は財政の健全性を示す基礎的財政収支の赤字幅を、15年度は10年度比で半減させる目標を掲げる。この目標は来年10月の税率10%引き上げが前提だ。麻生太郎財務相は3日、「(10%への引き上げを)決められる経済にしなければ」と、財政再建には再増税が不可欠との認識を示した。