安全保障制度を見直す政府の閣議決定を受けて、(1)有事手前のグレーゾーン事態(2)国際協力活動(3)集団的自衛権-の3分野で安全保障政策が大きく変わる。与党協議で最大の焦点となった集団的自衛権を実現するまでの過程はどのようなものになるか。
「関連法を整備しなければ、具体的な活動を行えず抑止力は高まらない。立法作業は極めて重要だ」
小野寺五典(いつのり)防衛相(54)は7月1日夜、防衛省に法整備の検討委員会を設置し、作業を急ぐよう指示した。
最大の課題は集団的自衛権の行使だ。
政府が与党協議の際に示した「事例集」では8事例が集団的自衛権にあたる。自衛隊が米艦を防護する4事例と、強制的な停船検査(臨検)、米国に向かうミサイルの迎撃、海上交通路(シーレーン)防衛に絡む「機雷掃海活動」「民間船舶の国際共同護衛」だ。
与党協議では公明党の反発が強かったが、政府関係者は「公明党が反対や慎重だった事例の法整備ができないということはない。全ての事例に対応できるよう法整備を進める」と明言する。