「諸政策を心機一転、さらに大胆かつ力強く実行するために本日、内閣改造を行った」
安倍晋三首相は3日夜の記者会見で、自民党役員・内閣改造人事の狙いと意義について、こう強調した。
今回の人事で最大の注目を集めたのは、地方創生相に就いた石破(いしば)茂氏の後任幹事長が誰になるかだった。
首相にとって、党ナンバー2の幹事長交代は既定路線だった。首相は石破氏の政策立案力や答弁能力は買っているものの、その政治手腕や調整力への評価は必ずしも高くない。
第1次安倍政権時に退陣を迫られたしこりもあり、ずっと二枚看板での党運営を続ける考えはなかった。実は首相は、8月半ばには谷垣禎一(さだかず)氏に幹事長を要請する方針を固め、ごく少数の側近に伝えていた。
「来年9月の自民党総裁選までには福島、沖縄などの知事選や統一地方選がある。党内をまとめて挙党態勢をつくるためには谷垣氏しかいなかった」
そのうちの一人はこう明かす。苦しい野党時代に地道に党総裁を務め、「政権交代に道筋をつけた」(首相)実績のある谷垣氏が適任というわけだ。