六角形の器に載った「エビのかけらもち揚げ」は、砕いた餅を衣にして揚げた天ぷら。白絞油(しらしめゆ)で3分程度揚げたというエビはカラッとした食感。ヨモギ麩と粟麩の揚げ物も添えられ、抹茶塩をつけると上品な味わいだ。
意表突くアイデアを積み重ね
ご飯ものとして長い器に盛られたのは握りずし4貫。ところが、握りのネタは魚介ではなく漬け物だ。「観光客の方は『何?これ』と驚かれます」(手嶋料理長)という通り、意表を突く。ネタの“正体”は、柚子の香りがする大根▽和歌山産のナス▽ノリで巻いた日野菜▽シャキシャキとした歯応えの白菜-だ。
酢飯には京都・長岡京産米を用い、酢の配合にもこだわった“アイデアにぎり”は薄味で箸が進む。一緒に提供される汁物椀には、サバで取った出汁に麩で作られた麺が浮かぶ。通常の麺に比べると、少しもっちりとした食感があるように思えたが、麺好きはきっとファンになりそうだ。