大韓航空の趙顕娥(チョ・ヒョナ)前副社長(40)が、自社機内で客室乗務員のナッツの出し方に怒り、離陸直前の旅客機を引き返させて責任者を降ろした事件で、趙氏は30日、検察が請求した逮捕状の発付の是非を判断する審査のため、ソウル西部地裁に出頭した。ソウル西部地検は逮捕状が発付され次第、航空保安法違反などの容疑で趙氏を逮捕する。「ナッツリターン」という流行語まで生み出した一連の騒動では、同族支配の横暴や官民癒着、醜聞の隠蔽(いんぺい)といった韓国財閥の典型的な“悪習”が次々と露呈した。
問題の発覚後、乗務員らに虚偽の証言を強要した疑いがもたれている大韓航空の常務(57)についても、地裁は逮捕状発付の判断をする。
地検は、航空保安法上の航空機航路変更と航空機安全運航阻害暴行、刑法上の強要などの容疑で、24日に趙氏の逮捕状を、証拠隠滅容疑で常務の逮捕状をそれぞれ請求。また、常務に国土交通省の調査内容を漏らした疑いで、26日に国交省の調査官を逮捕している。