韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領(62)に関するコラムをめぐり、名誉毀損(きそん)で在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(48)に対する事実上の初公判が27日、ソウル中央地裁で開かれた。前支局長の乗った車に卵を投げつけるなどの抗議行動もあり、法廷周辺は一時騒然とした。
加藤前支局長は法廷で、朴大統領への誹謗(ひぼう)の意図はなかったと無罪を主張し、全面的に争う姿勢を示した。意見陳述では「この裁判が、現代的法治国家である韓国において法と証拠に基づき厳正に進行されることを期待する」などと述べた。
終了後、加藤前支局長を乗せた車が裁判所の敷地を出る際、韓国人の男ら約10人に取り囲まれ、車を押されたり卵を投げつけられたりした。加藤前支局長にけがはなかったが、車の所有者である弁護士は監禁、器物損壊、脅迫などの容疑で地元警察に被害届を出した。加藤前支局長も監禁などで近く被害届を出す。
弁護側はまた、裁判所に対し十分な警備態勢を取るよう申し入れる方針だ。