大切なことは「人間が常に変化する存在であること」でした。人間の価値観や好みは生きている間、常に変化を続けるということは、目からうろこがおちる指摘でした。まさに「諸行無常」です。若い時も、年取っていっても人間の心は変化を続けているとのことです。
同じくハーバード大学のカラ・ファインバーグ博士は、自分を若いと思ったり、思わせたりする作業をすると、記憶力や体力が改善するという興味深い話題を提供しています。脳や体の老化は不可逆なようでありながら、実は精神の影響を受けており、自分を若いと思うと、体の能力が改善するというのです。
「病は気から」といいますが、「老いは気から」かもしれません。人間は、何歳になっても変化し続け、精神が身体能力を改善します。「あぁ、また年をとってしまったな」と思うか、「元気に来年も頑張ろう!」と自分に言い聞かせるか。それが分岐点です。年の瀬は、変化を楽しみながら上を向いて過ごしていくことにしましょう。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS)