【青信号で今週も】
年も暮れて年末になってきました。忘年会も多くなり、帰り際の電車の中のガラスに映る自分を見て、「あぁ、また年をとってしまったな…」と思ったり、いつの間にか増えた同僚の頭の白いものを見て、「自分だけじゃないんだ…」と感慨にふけったりしたことがあるかもしれません。
TED(Technology Entertainment Design:テド)という会議が米国で毎年開催されています。ウェブ上で無料公開され、NHKでも毎週放映されています。それぞれの分野で活躍する優秀なプレゼンターが、聴衆の琴線に触れる発表を行います。示されるスライドは概念をインスパイアする少数のものだけに絞られていて、見ている私たちはプレゼンターの話術に虜(とりこ)になっていきます。
このTEDの中でも、人の幸せを専門とする精神科医のダン・ギルバート博士(ハーバード大)の「未来の自分に対する心理」は大人気の回です。人間にとって時間という概念は非常に曖昧(あいまい)でとらえどころないものであるため、正確な予測を立てにくく、未来を見誤りやすいことを、わかりやすく説明してくれます。