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タンザニアの子供たち 「本当はね、学校に行きたいの」 (1/5ページ)

2014.12.10 17:45

「夢は学校の先生」。撮影用に書いた「夢」を手にしてたたずむメアリーちゃん=2014年8月3日、タンザニア(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)

「夢は学校の先生」。撮影用に書いた「夢」を手にしてたたずむメアリーちゃん=2014年8月3日、タンザニア(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)【拡大】

  • 10キロもの水を運ぶメアリーちゃん。家族のためにも、欠かすことのできない毎日の仕事だ=2014年8月3日、タンザニア(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)
  • 見渡す限りのサバンナが続くタンザニア(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)
  • 年上の子が年下の子の面倒を見る姿がよく見られた=2014年8月6日、タンザニア(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)
  • 学校には「夢」があふれている=2014年8月1日、タンザニア(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)
  • タンザニアの子どもたち。大草原が遊び場だ=2013年6月9日、タンザニア(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)
  • ワールド・ビジョン・ジャパンの山下泉美(いづみ)さん(中央)=2014年8月7日、タンザニア(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)
  • タンザニア・首都ドドマ
  • ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)__キリスト教精神に基づいて開発援助、緊急人道支援、アドボカシー(市民社会や政府への働きかけ)を行う国際NGO。子供たちとその家族、そして彼らが暮らす地域社会とともに、貧困と不公正を克服する活動を行っている。http://www.worldvision.jp/

 今年8月、タンザニアを訪れた。そこに暮らす子供たちの生活を取材し、ドキュメンタリー形式で伝えるテレビ番組「世界の子どもの日常生活」を制作するためだ。タンザニアはアフリカ東部最大の国で、北側にはキリマンジャロ山がそびえ、東側はインド洋に面する、自然豊かな国だ。近年6~7%の高水準で経済成長しているものの、都市部と地方では貧富の差が激しく、1日1.25ドル未満で暮らす貧困状態にある人は国民の40%以上にものぼる。

 首都ドドマの北、乾燥した大地が果てしなく広がる地域で、メアリーちゃん(10)という一人の女の子と出会った。おばあさんも、お母さんも、メアリーちゃんも、学校に通ったことがないという。

 メアリーちゃんの話を聞いているとき、傍らにはずっと叔父さんがいた。この地域では、家長である男性に権威があり、女性や子供たちは男性の許可なく発言できない。メアリーちゃんも、遠慮がちで自由に思ったことが言えないように見えた。

 これではメアリーちゃんの本当の気持ちが聞けないと思った私は、叔父さんに「どうか、メアリーちゃんが何を言っても止めたり、怒ったりしないでほしい」とお願いした。すると叔父さんは快諾してくれ、ようやくメアリーちゃんはその胸のうちを明かした。「本当は学校に行きたい」と。

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