「安全で安心できるところなんてどこにもないわ!」
今年5月、エチオピアの西の外れ、ガンベラにできたばかりの南スーダン難民キャンプで、女の子が発した言葉だ。
彼女は、昨年(2013年)12月末以降に始まった南スーダンアッパーナイル州の戦闘から逃れ、家族とようやく難民キャンプにたどり着いたばかり。小さな弟妹を両脇に抱え守りつつも、疲れ切って遠くを見つめる目は不安そうだった。不安と絶望の中にいる彼女を見ながら、私は戦闘が始まる直前の南スーダンで出会った、笑顔にあふれた多くの子供たちを思い出した。笑顔が吹き飛び、彼女のような表情になっているかと思うと言葉につまった。
昨年(2013年)末以降ガンベラには、戦闘が続く南スーダンから国境を越えて避難してくる難民が後を絶たない。その数、18万人以上。
避難の道のりは過酷で、難民キャンプにたどり着く前に命を落とす人も大勢いる。1日1000人を超える人々が次々に国境付近に到着する。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の統計では、難民の72.6%が18歳以下、30%が5歳以下の子供だという。10%の子供に親がなく、また、2.3%の子供は、親だけではなく親類とも離れ離れになって難民として国境を越えている。