子供たちは避難する途中で、両親や知り合いを戦闘で亡くしたり暴力を目撃するなどのショックや、空腹と疲労に苛(さいな)まれるストレスを経験している。慣れない難民キャンプでの生活で、心のよりどころとなるはずの家族さえおらず、さらなるストレスを感じる子供も多い。ストレスや心の傷を負った子供たちは、保護されなければ、暴力的になったり、犯罪に巻き込まれたりする可能性だってある。また、性的、社会的に搾取されるという危険にもさらされている。さらには、戦闘に巻き込まれる可能性もあり、武力による憎しみの連鎖に引き込まれていく子供たちがいることも事実だ。
≪学びの機会で希望を取り戻す≫
南スーダンは、40年を越える内戦に終止符を打ち、2011年7月に独立を果たしたばかりの世界で最も若い国だ。避難していた人々が祖国に帰還し、ようやく新しい国家として歩みを開始したばかりだった。
ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)は、ジャパン・プラットフォームからの助成を得て2006年から、アッパーナイル州に帰還する人々を支援し、国の再建をサポートする活動を開始した。現地でともに働くスタッフの多くも家族を連れて隣国から戻った帰還民だ。