今年4月、少数民族が多く住む、ベトナム北部の山岳地域を訪れた。首都ハノイから飛行機で約1時間、そこから車で3時間のところに、ワールド・ビジョン(WV)の事業地がある。
村の集会所では、多くのお母さんたちが、栄養のあるおかゆの作り方を学んでいた。穀類だけでなく、タンパク質や野菜など複数の食材を組み合わせることで、おかゆでも栄養価の高い食事になる。食材も地域で調達できる。お母さんたちは、それを実地で学んでいた。
おかゆが出来上がるころ、隣の部屋が騒がしくなった。元気な子供たちが大勢集まっていた。彼らは料理を習っていたお母さんたちの子供。皆、口や鼻をおかゆでベタベタにしながら、おいしそうに食べている。お母さんたちは、その姿を目を細めて見つめていた。
子供たちの食事が終わると、村の保健スタッフによる講義が始まった。多くの人たちが、村の中心地にある保健センターから10キロ以上離れた場所に住んでいるため、日常的なけがや病気は家庭で応急処置ができるように基礎知識を伝えている。また、母乳育児や妊娠中の検診の重要性を伝え、定期的に保健センターで受診することも勧めている。