保健センターに行くことが難しい人々に対する保健のアウトリーチ活動や、栄養に関する知識を普及する「栄養クラブ」の活動は、WVがベトナムの500カ所以上で行っている。
お母さんたちは、子供たちのために、少しでも栄養のある食事を作りたい一心で十数キロも離れた場所から、栄養クラブに足を運んでいる。子供に栄養のある食事を食べさせたい、より良い教育を受けさせたいなどの願いは、世界中の親に共通するものであることを、一人の母親として再認識した。
アフガニスタン駐在の際に出会ったアフガニスタン人は、「紛争のため、文化のため、自分は教育を受けられなかったけれども、たとえ女の子であっても、子供にはより良い教育とより良い未来を与えたい」と、真剣な思いを語った。
≪まずは5歳まで生きられるように≫
しかし、教育を受ける以前に、5歳の誕生日すら迎えられずに、命を落とす子供たちが世界にはまだ大勢いる。その数は、年間660万人。1日当たり、実に1万8000人以上の子供たちが命を落としているのが現実だ。しかもやりきれないことに、これらのほとんどが、安価で簡易な予防や対策で救えるはずの命なのである。