想定外の危険な任務に
南スーダンの国連平和維持活動(PKO)で、陸上自衛隊5次隊(約400人)が6月16日、半年間の任務を終え、6次隊と交代する。5次隊が着任した昨年12月、南スーダンは内戦状態に陥り、想定外の危険な任務となった。自衛隊にとって和平が事実上崩れた状況下のPKOは、初参加のカンボジア以来。日本政府は「武力紛争」は起きていないとする立場を維持しているが、現場の部隊は武器携行命令や韓国軍への銃弾提供など異例ずくめの対応を迫られた。
後戻りした局面
4次隊と5次隊の交代式が開かれた昨年12月15日。夜に入り、マシャール前副大統領支持派と政府軍との間で戦闘が始まった。首都ジュバの国連施設にある自衛隊宿営地でも激しい銃撃戦の音が聞こえた。5次隊の井川賢一隊長(45)は「翌日、国連施設の正門に数百人の市民が押し寄せた」と振り返る。
国連は施設に市民を受け入れ、5次隊はトイレづくりや給水作業を通じて避難民キャンプを整備。本来の任務のインフラ整備はできなかった。
井川隊長は「派遣目的は国造りの支援。国内の情勢が変化し、その局面が後戻りした。今は避難民の施設整備が国造り支援の一環だと思っている」と語った。