政府は4月1日、実質的な全面禁輸方針とされる武器輸出三原則に代わる「防衛装備移転三原則」を閣議決定した。防衛装備品の第三国への移転に際し、政府に義務付けられている事前同意の手続きで例外を設け、国内企業の国際共同開発・生産への参加を促進する。
新原則は(1)国連安保理決議の違反国や紛争当事国には移転しない(2)平和貢献・国際協力の積極推進や我(わ)が国の安全保障に資する場合に限定し移転を認め、透明性を確保しつつ厳格審査(3)目的外使用および第三国移転について適正管理が確保される場合に限定―の三本柱で構成される。
慎重な審議が求められる重要案件は政府の国家安全保障会議(NSC)で輸出の可否を判断。輸出する場合は結果を公表する。それ以外の装備品の輸出件数や輸出先などの全体像も年次報告書として公表し、透明性を確保する。
武器輸出三原則に代わる防衛装備移転三原則は、これまでの「例外措置」の積み重ねにより武器輸出の考え方が複雑化したため、基準を明示し再整理したものだ。基準が明確になったことで、国内企業にとっては防衛装備品の輸出がしやすくなるほか、海外進出も促進される可能性が広がる。