「さくらねこ」と呼ばれるネコがいるのをご存じだろうか。耳をV字にカットされ、まるでサクラの花びらのような耳になっネコたちをこう呼んでいる。
本州と九州との間の関門海峡の北西に浮かぶ藍島(あいのしま、北九州市小倉北区)。ここに100匹以上のさくらねこが住んでいる。小倉港(小倉北区)の桟橋から連絡船で35分、周囲わずか13キロの小さな島だ。
不妊・去勢の手術を施された印として耳をさくらの形にカットするのだが、獣医によると「麻酔の効いている間に処置するのでネコにとってダメージは少ない」という。
昨年11月、TNRと呼ばれる、野良ネコを捕獲(Trap)して不妊・去勢手術(Neuter)を施し、元の生活場所に戻す(Return)活動が藍島で始まった。
“猫島”として海外メディアなどに取り上げられて外国人を含む観光客が激増した結果、餌の袋や缶が散乱するなど、一部の島民にとってネコが厄介ごとの元凶になってしまった。やがて、餌不足などのため痩せ細り病気がちなネコが多く見られるようになった。