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痕跡残す「見えないもの」書き留めたい 「マダム・キュリーと朝食を」著者 小林エリカさん (1/4ページ)

2014.8.19 11:20

 【本の話をしよう】

 コミック、アニメーション、そして小説…。複数のメディアで輝きを放つ新鋭、小林エリカさん(36)。自身初の長編小説『マダム・キュリーと朝食を』は、第151回芥川賞と第27回三島由紀夫賞の候補作となった。キュリー夫人やエジソン、そして東日本大震災。時空を自在に行き来しながら、見えないものの存在を問いかけた。

 放射能や時間…

 本作の「あらすじ」を説明するのは難しい。「大きな地震と津波」のあとに、放射性物質をおそれた人間たちが去った「北の町」から、「東の都市」へとやってきた猫。猫は目に見えない“放射能”を「光」として見ることができる。かたや、震災の年に生まれた少女、雛(ひな)の祖母は“放射能”を「音」として聞く。その2つの語りに加え、20世紀初頭のエジソン研究所周辺に生きる猫と犬の恋物語、キュリー夫人の生涯などが複雑に織り込まれていく。

『あこがれ』であり『おそれ』でしょうか

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