「フランシスコ」への思い
「われわれの街の聖人が法王の名前に使われるのは、とても誇りだ」。大聖堂近くの土産物店の男性店主(71)はうれしそうに語る。歴代法王で「フランシスコ」を名乗った例はないだけに、現法王がその名前を選んだときは「大きな驚きだった」と振り返る。
「名前には代々、法王が目指す政策が込められている。現法王も名前が持つ意味の通りにやっていると思う」とも男性店主は語った。
ノーベル平和賞受賞者にパキスタンのマララ・ユスフザイさん(17)が決まった直後の10月初旬、バチカンにも足を運んでみた。サンピエトロ広場には多くの人が集まり、周辺の土産物店では笑顔の法王をあしらったTシャツなど、さまざまな関連グッズが店頭を飾っていた。
フランスからバチカンを訪れた男性科学者(52)は「現法王は教会の歴史の新たな1ページを開いた」と評価した上、平和賞については「今後も受賞のチャンスはあるよ」。一方、ある土産店の女性従業員は「法王は人を助けることが努め。それを果たしているだけだから、受賞しなくていいのよ」と笑顔を見せた。(宮下日出男、写真も/SANKEI EXPRESS)