【Viva!ヨーロッパ】
「小人」といえば、白雪姫などのおとぎ話を思い浮かべるかもしれない。だが、ポーランドには「小人の街」が実在する。南西部ウロツワフでは街の至る所をさまざまな小人像が飾り、その愛らしさが人気だ。ルーツが旧共産党支配下での反体制運動にも通じる街のシンボルは、ポーランド民主化から25年を迎えた今、その歴史も語り継ぐ。
愛らしさが人気
ウロツワフはシレジア地方の中心都市の一つとして1000年以上の歴史を持つ。旧市街にはゴシックとルネサンスが調和する旧市庁舎が威容を誇り、周りの広場では芸人がアコースティックギターを奏で、多くの観光客がカフェを楽しんでいた。
広場の脇の通りに入ると、通り沿いに並ぶ球状の縁石の一つを子供が取り囲んでいた。よく見ると、足元にあったのは2体の小人像。まるで縁石を運び去ろうとしているかのようなポーズだ。旧市庁舎の裏側では、観光客が相次ぎしゃがみ込んで写真を撮っていた。3体の小人像との記念撮影だ。