「中国が大国の地位に到達し、その指導者が米国の大統領と並び立ったというメッセージを送った」
米中首脳会談での合意内容は、今年9月のスーザン・ライス米大統領補佐官(50)=国家安全保障問題担当=による訪中などを通じて綿密に準備が進められた。
米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、国防当局間の協議では排他的経済水域(EEZ)で認められる軍事行動の種類に関する取り決めを模索したが見送られた。軍事訓練を認めるよう求めたところ、中国側が拒否したためだという。南シナ海での「核心的利益」は侵させないという頑なさは変わっていない。
中国が「新型大国関係」(習氏)という実利だけを米国から得て、周辺国との摩擦を引き起こす行動パターンを変えないのだとすれば、オバマ氏がいう「平和で安定した中国の台頭」は絵に描いた餅で終わる。(ワシントン支局 加納宏幸(かのう・ひろゆき)/SANKEI EXPRESS)