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【野口裕之の軍事情勢】中国の観光クルーズを警戒せよ…サンゴだけではない侵略の先兵 (4/5ページ)

2014.11.17 06:00

伊豆諸島・鳥島(奥)の周辺でサンゴの密漁を行う中国船籍と見られる「漁船」の群れ。中国船の密漁は反復され、侵略の先兵と化している=2014年10月31日(共同通信社ヘリから撮影)

伊豆諸島・鳥島(奥)の周辺でサンゴの密漁を行う中国船籍と見られる「漁船」の群れ。中国船の密漁は反復され、侵略の先兵と化している=2014年10月31日(共同通信社ヘリから撮影)【拡大】

  • 中国・海南省三亜市と、ベトナムや台湾も領有権を主張する南シナ海パラセル(西沙)諸島
  • 中国・「三沙(さんさ)市」。中国政府は2012年6月21日夜、南シナ海(英語名パラセル)、南沙(英語名スプラトリー)、中沙の3諸島に設置していた連絡事務所を統合し市に格上げすることを発表、「三沙(さんさ)市」と命名した。※三沙は虚構都市とも
  • 中国・海南島(海南省)
  • 中国の特別行政区マカオ
  • ※インド、パキスタン、中国が領有権を争うカシミール地方
  • 中国が主張する九段線

 巡視船より格段に、係争相手国が手出しし難い対象がクルーズ船だ。中国は複数の岩礁を埋め立て滑走路などを矢継ぎ早に造成、基地化を進めているが、この種のヒトラー流サラミ戦術に比べても国際を刺激しない。標的の島嶼・礁・砂州を「定期巡回」し、上陸後は衣食住を提供する船=移動基地に戻ればよい。2013年のクルーズ開始時、中国に厳重抗議したベトナムの国営メディアは「係争海域における度重なる一方的挑発行為の最新型」と形容している。

 新たな侵略の先兵

 確かにクルーズ船は、中国流サラミ戦術要素として「最新型」だが、戦術自体は1954年、中印国境=カシミール地方の高原奪取でも使われた。中国人を牧草地に段階的に入植させ、徐々にインド人牧場主を駆逐。10年近く繰り返し、九州並みの広さを持つ高原を掠め取った。

 まともな国は国内外の法律・慣習や歴史によって《地理的国境》を定める。ところが、中国の場合、欲しい所が領域となる。《戦略的国境》と呼ばれる独善的概念で軍事・経済力が拡大する限り、戦略的国境も膨張し続ける。ヒトラーが唱えた《東方生存権》の“理屈”と同じではないか。いわく-

対米軍絶対防衛線、米軍増援に備えた阻止・妨害線

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