サイトマップ RSS

空想が生み出した1つの「画業」 「フジタ、夢をみる手」 (3/4ページ)

2014.10.20 10:50

レオナール・フジタ「グロテスク」1955年(提供写真)。(C)Fondation_Foujita/ADAGP,Paris_&_JASPAR,Tokyo,2014_D0829

レオナール・フジタ「グロテスク」1955年(提供写真)。(C)Fondation_Foujita/ADAGP,Paris_&_JASPAR,Tokyo,2014_D0829【拡大】

  • レオナール・フジタ「シレーヌ」1952年(提供写真)。(C)Fondation_Foujita/ADAGP,Paris_&_JASPAR,Tokyo,2014_D0829
  • レオナール・フジタ「ラ・フォンテーヌ頌」1949年(提供写真)。(C)Fondation_Foujita/ADAGP,Paris_&_JASPAR,Tokyo,2014_D0829
  • レオナール・フジタ「辻音楽師」1959年(提供写真)。(C)Fondation_Foujita/ADAGP,Paris_&_JASPAR,Tokyo,2014_D0829

 寓話や宗教画

 晩年に描いた作品は、「ラ・フォンテーヌ頌」(49年)など寓話に関する作品や、「シレーヌ」など神話による作品、ノートルダム・ド・ラ・ペ礼拝堂の壁画をはじめとする宗教画、そして少女、幼児たちの絵。「グロテスク」は、ボスやブリューゲルのように、人の醜い罪を描き表した、広い意味での宗教画を思わせる。

 少女では、聖母像のように描いたり、果物などを配して装飾的に描いたり。このころの藤田は、イマジネーションと自分の記憶の引き出しを精いっぱい使って表現した。展覧会では、子供のいなかった藤田が、自分の子を慈しむように描いた幼児たちの絵30点もまとめて展示する。

 島本学芸員は、「藤田の人生と重ね合わせ、晩年を傷心による『現実逃避』と解釈する人も多いが、空想やイマジネーションを膨らませることで新たな世界を生み出した1つの“実りある画業”だったと位置づけてもいいのではないか」と新たな解釈を提案している。(原圭介(SANKEI EXPRESS

晩年の藤田嗣治/ガイド:「フジタ、夢をみる手」

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。

ページ先頭へ