ともに食す、眠る
プロジェクトにはほかに、入館者が持ち込んだ衣類をアーティストらが繕いながら会話をし、壁に取り付けた糸巻きのカラフルな糸と衣類をつなげる「繕う」、言えなかった「ありがとう」や「ごめんなさい」を手紙に書く「手紙をつづる」、アーティストやホストとともに1対1で食事をする「ともに食す」、閉館後の美術館内で、アーティストかホストと抽選で選ばれた人がベッドを並べて寝る「ともに眠る」などがある。
例えば「手紙をつづる」では、特定の人へのあて先が書かれて封がされていれば投函(とうかん)してもらえ、そうでなければ、ほかの入館者が自由に読んでいい。ここでも、見知らぬ人とつながることができる。どのプロジェクトも、日常、誰もがしている行為だが、そこに「1対1の関係を築く仕掛け」が織り込まれている。