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青い猛り、渇き… 天才の作品群 「土田世紀全原画展――43年、18,000枚。」 (1/4ページ)

2014.7.28 14:00

第2期の土田(世紀)作品を紹介した展示室。描きまくった時代を表現するため、床から壁までマンガ原稿で埋めつくされている=2014年7月11日(提供写真)

第2期の土田(世紀)作品を紹介した展示室。描きまくった時代を表現するため、床から壁までマンガ原稿で埋めつくされている=2014年7月11日(提供写真)【拡大】

  • 「俺節」(1991~1993年)から。週刊連載作品とは思えない描き込み(提供写真)
  • 「雲出づるところ」(2001年~2002年)より。後期~晩期の作品には哲学的な問いを口にする人物が多く登場(提供写真)
  • 松本大洋による、土田(世紀)作品にオマージュを捧げた描き下ろしイラスト。ほかに新井英樹、すぎむらしんいち、上條敦士らの作品も展示(提供写真)
  • 第1期の展示室。土田世紀が高校2年生の時に投稿した最初期の作品「やりきれない気持」(1985年頃)=2014年5月31日(提供写真)
  • 第3期の部屋。一部を除き、写真撮影が可能=2014年5月31日(提供写真)
  • 顔のアップを描く見開きページは、“土田(世紀)印”とも言える印象的な表現=2014年5月31日(提供写真)

 【アートクルーズ】

 土田世紀というマンガ家を知っているだろうか?

 「俺節」や「編集王」「同じ月を見ている」など、才気あふれる作品を次々と世に送り出しながらも、2012年、43歳という若さで早逝(そうせい)した天才作家。25年の間に描かれたマンガ原稿は約2万ページに上るが、その膨大な作品群は、作風の変化によって、3期に分けられる。

 作風で3期に分類

 デビュー作「未成年」が描かれたとき、土田はまだ17歳だった。異様な完成度と同時に、若さゆえのほとばしる熱量をも併せ持ったこの作品は、同世代の作家たちを嫉妬させたという。初期作品の登場人物の多くは、作家同様10代の男子。彼らの、自己完結的であるがゆえにやり場のない青春の猛(たけ)りが、大胆かつ繊細な筆致で描かれる。演歌歌手を目指す東北の青年を主人公にした泥臭い青春歌「俺節」は、この時期の代表作にして、マンガ史に残る傑作である。

 1990年代、それらの作品で、目の肥えたマンガファンに注目された土田は、人気作家になってゆく。ボクサーくずれの直情型熱血青年を主人公に、マンガ業界の裏側を戯画的に描いた「編集王」や、競馬の世界をリアルかつ滑稽に活写した「競馬狂走伝ありゃ馬こりゃ馬」などがこの時期の代表作だ。

「メッセージ」前面に

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