CICはレーダーやソナー、通信、被弾損害情報などが集約される戦闘情報中枢であり指揮・命令中枢。乗員ですら立ち入りが著しく限られる。
接遇した印海軍艦長は驚く以前に「???」だったはず。同盟国の将軍でも入室への敷居が極めて高いCIC。まして、過去に幾度も干戈を交え、今尚国境紛争を抱え、核ミサイルの発射を視野に入れる、仮想敵に対する要求ではない。一呼吸置いて、われに返ったであろう艦長は「部外者には非公開」と応じ、お引き取り願った。
軍艦は国際法上、大使館同様、中国領内に在っても治外法権で、呉大将らの退艦は至極当然。しかし、順法精神をほとんど持ち合わせない中国に、国際法順守は似合わない。むしろ、見学を拒否した印側の常識にキレて、居丈高に再考を迫る非常識こそが“中華風”だ。
実際、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議で1日、中国軍副総参謀長の王冠中・陸軍中将(61)が行った演説も“中華風”の臭いがきつかった。安倍晋三首相(59)は5月30日の基調講演で、南シナ海でのベトナム/フィリピンと中国の領有権争いに「力による現状変更の試み」があると述べ、名指しを避けつつ中国に国際法順守を求めた。米国のチャック・ヘーゲル国防長官(67)は翌31日、名指しで非難した。キレた王中将は、予定稿以上に強く“中華風”に味付けた主張を展開した。曰く-