【安倍政権考】
「傍若無人とはまさにこのことだ」と多くの人が思っているのではないか。中国による南シナ海での覇権主義的な振る舞いのことだ。中国はパラセル(中国名・西沙)諸島周辺に130隻近い艦船を繰り出し、ベトナムの抗議を無視して石油掘削作業を進めている。わが国固有の領土である東シナ海の尖閣諸島(沖縄県石垣市)でも100隻を超える中国艦船がある日、突如として現れて、あっという間に占領されてしまうという悪夢が起きないとは誰も断言できない。
今回の事態の根底にあるのは、自らの周辺海域をその支配下に置こうという中国の野望だ。すでに中国はガス田開発を東シナ海で強行し、その上空に防空識別圏を一方的に設定した。さらに尖閣諸島への領海侵犯を繰り返している。
中国が掘削作業をしているパラセル諸島付近の海域には、ベトナムが艦船を派遣しているが、数で勝る中国が圧倒している。ベトナムは、中国の掘削作業を止めさせる手段がないのが現状だ。