また、昨年(2013年)11月には尖閣諸島周辺のわが国の排他的経済水域(EEZ)で中国海警局の船の乗組員が付近にいた中国漁船に立ち入りを行い、管轄権行使は認めないと警告した海上保安庁の巡視船に対し、「中国の管轄海域で漁業順法活動をしている」と応答。法の執行を公然とアピールした。
米国は尖閣諸島に日米安保条約を適用する理由として、わが国の施政権が及んでいることを挙げている。しかし、中国が尖閣諸島での施設設置やわが国の船舶の拿捕・臨検が行われ、わが国の施政権が失われるような事態になれば、米国が日米安保を発動する根拠が大きく揺らぐことになりかねない。
覇権獲得へ第4、5段階
日中関係筋によると、中国は自らの周辺海域での覇権獲得に向けて、(1)諸島の領有を一方的に宣言(2)領有の根拠となる国内法整備(3)海洋調査の実施(4)艦船による法の執行(5)海空軍の出動と軍事力優勢の確保(6)占領とその既成事実化-といったプロセスを取ってきている。