「われわれの外交政策への典型的な批判は、軍事力の行使に失敗したというものだ。10年にもわたる戦争で莫大(ばくだい)な費用を払った後で、なぜ多くの人が軍事力を使いたがるのか。最高司令官としての私の仕事は、軍事力を最後の手段とし、賢明に展開することだ」
ワシントン・ポスト紙コラムニストのチャールズ・クラウトハマー氏は5月2日付の紙面で、オバマ氏の発言を「弁護的で、短気で、矛盾し、時に現実離れしている」と酷評。「外交的、経済的圧力でプーチン氏を止められると考えるなら思い違いだ。ウクライナ介入後、プーチン氏の人気は10ポイント上がり、オバマ氏の2倍になった」と指摘した。
冒頭で紹介した夕食会で、オバマ氏は次のように述べた。
「大統領としての私の仕事が一時的なものだとするメモをどこかで見たが、今から2016年までは長い。何が起こってもおかしくない」
中間選挙に向け、米国はより「内向き」になるとみられ、次期大統領選までの2年半は日本にとっても長い。オバマ氏にアジアの現実をどう分からせ、関与させることができるか。日本外交の腕の見せ所である。(ワシントン支局 加納宏幸/SANKEI EXPRESS)