日本では、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を含む東シナ海に防空識別圏を設定するなどの中国の軍事的野心を抑えきれない米国にいらだちを感じたものだ。しかし、ウクライナ危機に際しての対露制裁の効果を自信満々に説くオバマ大統領を見ていると、かつて「米国は世界の警察官ではない」と言ったことなど、つい忘れそうになる。
「もしロシアの指導者が進路を変えないのなら、孤立による代償がより高くつくことは明確だ。すでにルーブルは最低に近い水準に下がり、株価も急落してロシアの景気は後退した。信用格付けもジャンク級(投資不適格)寸前まで下がっている」
こう語るオバマ氏は、ロシアに「すでに弱い経済がさらに弱くなる」という圧力をかけようとしている。オバマ政権は、プーチン政権と関係の深い企業17社の資産凍結やロシア政府当局者7人の在米資産凍結などを決めたのに続き、エネルギー、金融、防衛などロシアの基幹産業を狙った追加制裁を検討中だ。