もともとクリミア半島は南端に風光明媚(めいび)な観光地ヤルタがあり、旧ソ連時代から保養地として多くの人が訪れていることから、カジノ・リゾートに最適の地と判断したようだ。
ドミートリー・メドベージェフ首相(48)はRTに、「クリミアは税制優遇措置によって有力な投資家を呼び込む経済特区に変わるべきだ」と訴えた。
ロシアのカジノ特区は今回が5カ所目。これまでシベリア・アルタイ地方や極東・沿海地方などに、辺境地の活性化策として設けられてきた。
タタール系の名誉回復
クリミアは、ロシア化が急速に進む一方で、ウクライナや欧州からモノ、ヒト、カネの流入が途絶え、経済悪化が懸念されている。またロシアのアントン・シルアノフ財務相(51)がクリミアの財政赤字は約550億ルーブル(約1530億円)に上り、ロシア政府が全額負担する方針を表明するなど財政も厳しい。
住民の大多数がロシアへの編入を支持したとはいえ、経済的に困窮すればロシアへの不満が高まる懸念があり、カジノ特区による経済波及効果で住民を懐柔したいようだ。