しかし、最近、にわかに現実的になった習主席と馬総統のトップ会談を提起したのは台湾側だった。馬総統は2013年末、香港の雑誌の取材に対し、14年秋に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にあわせて訪中し、習主席と会談したい意向を示した。
支持率が低迷している馬総統はトップ会談を通じて、中国からよりよい経済的な譲歩を引き出し、台湾経済の活性化につなげたい思惑がある。さらに2期目の任期が16年春に切れる馬総統は、自身の歴史的評価を意識しており、中国と歴史的な和解をすることで実績を残したい思惑があると指摘される。
しかし、中国側は馬総統のAPECで会談する提案に難色を示している。「台湾問題は中国の内政」と主張する中国は、国際会議の場で台湾側と交渉するのを避けたい思惑がある。
警戒強める米国
共産党筋によれば、中国側が今回の連氏訪中を重要視した背景には、連氏の影響力を通じて、馬総統に対し別のタイミングでの訪中を促したい思惑があるが、今のところ、馬総統は受け入れる考えはなさそうだ。