【国際情勢分析】
中国共産党の最高指導部である政治局常務委員会の前メンバーで、有力政治家の周永康(しゅう・えいこう)氏(71)が党の規律検査部門によって事実上拘束され、その失脚が間もなく発表されるとの情報が最近、急増している。北京の多くの共産党筋も同じ証言をする。しかし一方で、「周氏の取り扱いについて党内の意見が割れており、まだ正式に決まっていない」と語る党高官もいる。
治安、警察部門に大きな影響力を持つ周氏が失脚すれば、政局に激震が走るのは必至。習近平(しゅう・きんぺい)政権は今、重大局面を迎えているようだ。
薄煕来氏と深い関係
周永康氏は、江沢民(こう・たくみん)元国家主席(87)が率いる上海閥の重鎮として知られる。国有企業、中国石油のトップを経て政界入りし、大きな利権を持つ石油閥の中心人物だと今でも言われている。公安相を経て2007年に政治局常務委員となり、胡錦濤(こ・きんとう)政権で党内序列9位ながら、警察、検察、司法部門を統轄する責任者である党政法委書記として大きな権力を振るった。